地下鉄のギタリスト―Busking in London



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地下鉄のギタリスト―Busking in London

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天職に出会ったミュージシャンの物語

 「地下鉄のギタリスト」は、日本人初の公式バスカーとして、ロンドンの地下鉄駅で演奏する土門秀明氏が、日々めぐり合う悲喜こもごもの人間模様を描いた本だ。演奏しながらこれだけの物語を集められるのは、ミュージシャンとしての鋭い感性。そして、地下鉄利用者の心を和らげる、いわばバックグラウンドに徹する「地下鉄のギタリスト」ならではの観察力のなせる業であろう。
 一癖も二癖もあるバスカー仲間や、「事実は小説よりも奇なり」を地で行くような人々。普通の生活では遭遇できない出会いを重ね、音楽という万国共通の言葉を通じて、著者は心の?彼の言葉では「魂」か?の交流を深めていく。一期一会の中で、著者自身も笑い、感嘆し、時には涙する。その心の動きは、まるで音楽のように読み手の心に流れてきて、目に浮かぶその風景に一喜一憂するのだ。好きな音楽を演奏することを、心の底から愛する気持ちが、行間からひしひしと伝わってくる。
 大好きなレコードのように、「出会ってよかった」と思える一冊だ。そして、大好きなレコードのように、いつまでもいつくしむことのできる一冊である。
本当に好きなことをしている男の感動エッセイ

 この本を書店でパラパラとめくって初めて読んだとき、感動のあまり涙を流してしまいました。
 著者の土門秀明さんは日本でプロのギタリストとして活躍した後、ロンドン公認の地下鉄アーティスト「バスカー」として活動しています。収入は乗客たちからもらうチップのみ。
 この本は土門さんのバスキングと、彼の音楽を通りすがりに聴く乗客と、バスカー仲間たちのエピソード。ひとつひとつのエピソードに心温まるドラマがあります。
 ロンドン地下鉄同時爆破テロ事件の際、バスカーたちはチップをもらわずにいつも通りの演奏を続けたそうです。乗客であるロンドン市民を元気付けるために。
すごい本です

他の方も書かれているように,素晴らしい本です。

筆者の土門秀明さんは,日本でプロのミュージシャンとしてご活躍された後にロンドンへ渡られたギタリストです。

この本には,彼がロンドンの地下鉄で人間の暗部と素晴らしさに正面から向かっている様子が描かれています。

描かれているエピソードはすべて実際に起きた/現在起きている出来事で,筆者と登場人物の内面が簡潔な文章に表現されています。非常にリアルです。

コミカルで笑わせるエピソードが主ですが,一方,重い話でも,残酷な現実が筆者の目を通すと美しく昇華され,筆者の本領が発揮されるように思われます。


「産經新聞が選ぶ2006年の最も面白かった本トップ3」に選ばれています。

おめでとうございます!
いつまでも大事にしたい良書

音楽を愛しているひとへ。
そして、本当に人間を愛しているひとへ。

本書は、LONDONの地下鉄で道ゆく通行人に向けてアコースティック・ギターを弾き、その見返りに投げられる小銭で生計を立てている日本人が、日々体験した出来事を日記形式で綴ったもの。
読みやすい簡潔な文章にも関わらず、何故かページをめくる手が1エピソードごとに止まってしまう。それは、ため息をついたり、思い切り笑ったり、涙を拭いたり...そんな時間を読者に必要とさせるからだ。
LONDONで暮らす名もなき市民の、力強く哀しく優しい人生の1コマを、著者は淡々とした視線で鋭角的に切り取っていく。

著者プロフィールを見れば、「元バブルガム・ブラザーズのバックギタリスト」とある。
彼がどんな人生を歩んで、今、なぜ遠くイギリスでギターを弾いているのか知るよしもないが、本書からにじみ出る温かくもやるせない著者の魂は、海を超え、確実に私達の胸に深く届く。

エリック・クラプトンやビートルズ、ルイ・アームストロング等の名曲を、ロンドナーが冷えた地下道で耳にしたとき...音楽は空気を震わせ人々に勇気をもたらすのだ。
…本書を通じて、是非その感触を味わってほしい。
愛すべき変な街

ついこの前までロンドンに住んでいたので、地下鉄の駅構内で繰り広げられるバスキングの模様がはっきりと頭に浮かんできました。でもこんなにもたくさんのドラマが繰り広げられていたとは知りませんでした。ロンドンには本当に変な人が多いですが、バスカーにもやはり変わった人が多いようです。そんな変な街で変わった人達との触れ合いを、時には戸惑いながらも楽しんでいる作者の土門さんの姿が笑えます。そして音楽を心から愛しているという感じが節々から伝わってきて、なんとも心地よい空気に包まれます。

テンポの良い笑いの後に突然感動のエピソードが待っているので要注意です。「The Blindman」の話にはヤラれました。何度も読みたくなる心揺さぶられる、まさに「魂のエピソード」です。

また手放せない本が一冊増えてしまいました。



水曜社
ユライ花
ギターで覚える音楽理論―確信を持ってプレイするために
デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)