地域漁業の社会と生態―海域東南アジアの漁民像を求めて



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地にしっかり足のついた、優れたフィールドワークが結実。。。

 筆者の北窓時男さんは現在でこそ研究者の道を歩んでいますが、元々は海外青年協力隊や民間会社に属しながら、東南アジアの漁業実態を調査してこられた方です。
 本書は同氏のインドネシアでのフィールドワークが結実したものです。テーマは「漁業技術」ということであっても、漁民たちの生活や社会、経済のあり方、また世界観といったところにまでよく目配りがされていて、読んでいて飽きることがないのは、氏のバックグランドの広さによるものでしょう。
 北窓さんは内発的発展論や地縁技術論を重視しており、本書でも地縁技術共有圏についての分析を試みています。もちろん、同氏はインドネシアの人々の多様性と柔軟性、移動性、またその社会のネットワーク性についても重視していますので、その議論は決して「外界から閉ざされた桃源郷的世界」を仮定してのものではなく、地に足がついています。
 海上の道を行き来しながら生活してきた東南アジア多島海の人々の暮らしぶりが伝わってくる好著です。



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