会社がなぜ消滅したか―山一証券役員たちの背信 (新潮文庫)



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会社がなぜ消滅したか―山一証券役員たちの背信 (新潮文庫)
会社がなぜ消滅したか―山一証券役員たちの背信 (新潮文庫)

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大企業に勤めている人にお勧めの本

山一證券が自主廃業に至った経緯が物語のように書き上げられています。
役員ですら、情報がオープンになっていなかったのには驚きました。
役員の背信行為をクローズアップした内容になっており、
人間の弱さを感じた1冊でした。
テンポ良く書かれており、読んでいて、引き込まれてしまいました。
役員などと滅多に会えない大企業に勤めている人にお勧めです。


当時を知らない金融関係者は読むべし

山一証券がなぜ&どのように自主廃業に追い込まれていったのかを、余すことなく綴ったのが本作。

小説風のタッチでストーリーは展開されていくが、どちらかというとドキュメンタリーに近い。

スピード感があり、ドキドキして読める。

ただし、登場人物が多すぎて、追って行くのが大変な点でマイナス☆1つ。

総合評価としては☆4つ。

金融の世界にいる方は一度読む価値あり!
どこの会社にも起こり得る問題

バブル崩壊期に倒産劇中でも、山一證券の倒産は一番のショックだった。4大証券の1つと言われた名門企業。その会社崩壊の過程をインタビューを交えドキュメンタリ・タッチで追った作品(書き手が読売社会部なので、そういう手法になるのは止むを得ないが)。

責任の主体は勿論、不良債権が積みあがる中、膨れ上がる赤字問題を先送りして、粉飾決算を続けていった歴代社長達首脳陣にある。この"先送り"体質自体ヒドイのだが、「自分達の会社はもしかしたら危ないのではないか」と危機感を覚えながらも、積極的に事態の打開を図ろうとしなかった社員一人々々の問題にも踏み込んでいる。

最近、景気が少し持ち直して、かつての不良債権が"不良"でなくなって来ている。すると、銀行や証券会社は何もしなくても問題を"解決"したことになる。あれだけ税金をつぎ込んだのは何だったんだ、という苦い思いがする。日本人特有の、「台風が来ても、そのうち通り過ぎて元通りになるさ」的体質は直っていないように見える。企業にとっても、本件が深刻な教訓になったとは思えない。「山一は貧乏クジを引いただけさ」くらいにしか考えていないのではないか。

本件・本作等を教訓として、個人の責任(企業の責任というのは言い逃れ)を全うするという社会の到来を期待したい。
教訓は生かされるのか?

本書は、山一証券が自主廃業に追い込まれる過程を生々しく描きながら、
個人の小さな背信の積み重ねが、
巨大組織をも崩壊させかねないことを警告している。

また、過ちを犯してしまった時に人は責任をいかにとるべきか、
潔く責任をとろうとしない人々の醜態を追うことを通じて、
我々に考えさせる。(果たして自分なら潔く振舞えるか?)

ちなみに、本書の前後に同「会長はなぜ自殺したのか」(新潮文庫)をぜひ読んで下さい(若干、読売新聞の報道の自画自賛が気になりますが)。

本書は山一の組織内部に絞ってミクロの視点から、
また、後者は政治家、官僚、財界というマクロの視点から、
日本社会の病巣をえぐっています。

蛇足。最近、世間では新会社法の話題が多いですが、
一見すると会社の経営陣に有利な内容が目立つ気がします。
新法の下で、経営者の背信から第二の山一が生まれないことを祈ります。
普通のサラリーマンの会社であった「山一」は何故崩壊したのか?

1997年、かつての業界トップ、長らく四大証券のひとつであった山一證券の破綻は、破綻会見での社長の号泣という強烈な映像をともなって記憶に残っている。
本書はこの山一證券が破綻に至った経緯を経営層の動きを中心に活写する。
破綻を単にバブル崩壊による経営の悪化という表層的な原因に求めず、昭和40年に起こった一回目の「山一破綻」にさかのぼり、その後この企業が持つことになる体質的な問題にまで切り込んでいく。軌道修正するチャンスは何度もあったにも係らず、経営トップの事なかれ主義からくる問題の先送り、直言する役員・社員を遠ざけ、問題を隠蔽しつづけた悪弊(一部の役員は破綻直前まで事実を知らされていなかったほど)に慄然とする。強烈なワンマン経営者がいたわけでもなく、普通のサラリーマンが出世してトップになり、または役員になった企業でこの事件が起こったことが浮き彫りになり、普通の企業でも同様のことが起こりえることではないかと考えさせられる。また破綻に至る数ヶ月の経営陣、銀行、大蔵省、政治家等の動きも詳細に記され、断末魔の声をあげる企業の最期の様相が印象的。
が、本書はそれだけに留まらない。
破綻直後、社員の手によって破棄された数々の不正行為に関する書類の存在、また社会に公表されなかった調査委員会の最終報告の存在などを明らかにする。
文書は新聞記者が書いたということもありわかりやすい。かなり広範に取材が行われたことをうかがわせる詳細で多面的な内容。各章の頭に記された「破綻まであと○年○日」というカウントダウンが生々しい。



新潮社
小説 山一証券
誰が会社を潰したか―山一首脳の罪と罰
山一証券突然死の真相
滅びの遺伝子 山一證券興亡百年史
自律する組織人―組織コミットメントとキャリア論からの展望